★悩み★
・Kubernetes上で容易にPostgreSQLを使うことはできないだろうか。
・PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順を知りたい。
・そもそも、PostgreSQL Operator(Zalando)とは?
こういった「悩み」に答えます。
★本記事の内容★
① PostgreSQL Operator(Zalando)とは何か?をご紹介
② PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備をご紹介
③ PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順をご紹介
これからご紹介する「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順」を実践したことで、2時間以内で「Kubernetes上で起動したPostgreSQLにデータを格納」できました。
記事の前半では「PostgreSQL Operator(Zalando)とは何か?」を解説しつつ、記事の後半では「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順」を紹介します。
この記事を読み終えることで、「Kubernetes上でPostgreSQLを使える」状態になります。
★Kubernetesとは★
Kubernetesを利用することで、マイクロサービスなシステムを構築できます。Kubernetesを利用したマイクロサービスに関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Kubernetesとマイクロサービスについて
ちなみに、「Kubernetesを体系的に学習したい」方には、以下の記事がお勧めです。
PostgreSQL Operator(Zalando)とは、何か?
「PostgreSQL Operator(Zalando)とは、何か?」に関してご紹介します。
★PostgreSQL Operator(Zalando)に関するご紹介事項★
・KubernetesのOperatorとは?
・PostgreSQL Operator(Zalando)とは?
以降で、上記「PostgreSQL Operator(Zalando)に関するご紹介事項」の各項目に関してご説明します。
KubernetesのOperatorとは?
「KubernetesのOperatorとは?」に関してご説明します。
Kubernetesの機能の一つとして、Operatorという機能があります。
KubernetesのOperatorを利用することで、「運用管理の手順(例えば、配備したアプリケーションのバックアップ手順)をコードとして記述」できます。KubernetesのOperatorで運用をコード化することで、運用の自動化ができます。
アプリに障害が発生した際の復旧手順をコード化しておくことで、手動でアプリを復旧する必要がなくなります。
ちなみに、「KubernetesのOperatorを詳しく知りたい」方は、以下の公式サイトをご覧ください。
KubernetesのOperatorとは(公式サイト)
以上が、「KubernetesのOperatorとは?」となります。
PostgreSQL Operator(Zalando)とは?
「PostgreSQL Operator(Zalando)とは?」に関してご説明します。
PostgreSQL Operatorを使うことで、PostgreSQLの運用(例えば、スケールアウトなど)をKubernetesで自動化できます。
PostgreSQL Operator(Zalando)を使うことで、Kubernetes上にHA構成のPostgreSQLを容易に構成できます。
また、PostgreSQL Operator(Zalando)は、以下の機能を有します。
★PostgreSQL Operator(Zalando)の機能★
・PostgreSQLのクラスタをローリングアップデートできる
・PostgreSQLが利用するディスクを自動で拡張できる
・PostgreSQLのクラスタをすぐに複製/リストアできる
・Web UI経由でPostgreSQLのクラスタを作成できる
PostgreSQL Operator(Zalando)の詳しい機能や構成を知りたい方は、以下の公式サイトをご覧ください。
PostgreSQL Operator(Zalando)の公式サイト
以上が、「PostgreSQL Operator(Zalando)とは?」となります。
PostgreSQLの運用(バックアップやスケールアウトなど)を自動化したい場合、PostgreSQL Operator(Zalando)の利用を検討しましょう。
PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備
「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備」に関してご紹介します。
★PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備★
手順1:Kubernetesクラスタを構築
手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認
上記の流れで、「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備」ができます。
上記の各手順は、以下の日時と環境で動作確認済みです。
動作確認済み日時:2021年6月20日
動作確認済み環境:CentOS Linux release 7.7.1908 (Core)
以降で、上記「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備」の各手順に関してご説明します。
手順1:Kubernetesクラスタを構築
「手順1:Kubernetesクラスタを構築」に関してご説明します。
PostgreSQL Operator(Zalando)を使うために、Kubernetesクラスタを構築しましょう。
「Kubernetesクラスタの構築手順」に関しては、以下の記事をご覧ください。
上記手順を実施することで、以下のKubernetesクラスタを構築できます。
以降の手順では、上図のKubernetesクラスタを想定として手順を解説します。
既にKubernetesクラスタを構築済みである場合、本手順を省略してください。
以上で、「手順1:Kubernetesクラスタを構築」は完了です。
手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認
「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」に関してご説明します。
構築したKubernetesにおいて、PostgreSQL Operator(Zalando)を使える状態になっているかを確認しましょう。
「構築したKubernetesクラスタの状態確認」に関しては、以下の記事「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」をご覧ください。
以上で、「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」は完了です。
上記の流れで、PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うための準備ができました。
PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順
「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順」に関してご紹介します。
★PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うまでの流れ★
手順1:PostgreSQL Operator(Zalando)をダウンロード
手順2:PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正
手順3:PostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリュームを作成
手順4:PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesに配備(デプロイ)
手順5:PostgreSQL Operator(Zalando)で作成したPostgreSQLの動作確認
上記手順を実施することで、PostgreSQL Operator(Zalando)経由でKubernetes上にPostgreSQLクラスタを作成できます。
上記の各手順は、以下の日時と環境で動作確認済みです。
動作確認済み日時:2021年6月20日
動作確認済み環境:CentOS Linux release 7.7.1908 (Core)
以降で、上記「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使うまでの流れ」の各手順に関してご説明します。
手順1:PostgreSQL Operator(Zalando)をダウンロード
「手順1:PostgreSQL Operator(Zalando)をダウンロード」に関してご説明します。
PostgreSQL Operator(Zalando)の資材は、GitHubに格納されています。
PostgreSQL Operator(Zalando)の資材をGitHubからダウンロードするために、マスターで以下のコマンドを順に実行してください。
# git clone https://github.com/zalando/postgres-operator.git
# cd postgres-operator/
# ls
CODEOWNERS LICENSE Makefile SECURITY.md charts delivery.yaml docs go.mod hack manifests mocks run_operator_locally.sh
CONTRIBUTING.md MAINTAINERS README.md build-ci.sh cmd docker e2e go.sum kubectl-pg mkdocs.yml pkg ui
コマンド実行後、「postgres-operator」のディレクトリが存在する場合、「正常にGitHubからPostgreSQL Operator(Zalando)をダウンロードできた」と判断できます。
以上で、「手順1:PostgreSQL Operator(Zalando)をダウンロード」は完了です。
手順2:PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正
「手順2:PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正」に関してご説明します。
作成したいPostgreSQLクラスタに合わせて、PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正しましょう。
PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正するために、マスターで以下のコマンドを順に実行してください。具体的には、各定義ファイルのnamespaceを「postgres」に修正しましょう。
# cat manifests/operator-service-account-rbac.yaml | grep postgres
name: postgres-operator
namespace: postgres # ← postgresに変更
name: postgres-operator
- postgresqls
- postgresqls/status
- postgresteams
name: postgres-operator
name: postgres-operator
name: postgres-operator
namespace: postgres
name: postgres-pod
# cat ui/manifests/ui-service-account-rbac.yaml | grep postgres
name: postgres-operator-ui
namespace: postgres # ← postgresに変更
name: postgres-operator-ui
- postgresqls
name: postgres-operator-ui
name: postgres-operator-ui
name: postgres-operator-ui
namespace: postgres # ← postgresに変更
# cat ui/manifests/deployment.yaml | grep postgres
name: "postgres-operator-ui"
namespace: "postgres" # ← postgresに変更
name: "postgres-operator-ui"
name: "postgres-operator-ui"
name: "postgres-operator-ui"
serviceAccountName: postgres-operator-ui
image: registry.opensource.zalan.do/acid/postgres-operator-ui:v1.6.0
value: "http://postgres-operator:8080"
"docs_link":"https://postgres-operator.readthedocs.io/en/latest/",
"postgresql_versions": [
# cat ui/manifests/service.yaml
apiVersion: "v1"
kind: "Service"
metadata:
name: "postgres-operator-ui"
namespace: "postgres" # ← postgresに変更
labels:
application: "postgres-operator-ui"
spec:
type: "LoadBalancer"
selector:
application: "postgres-operator-ui"
ports:
- port: 80
protocol: "TCP"
targetPort: 8081
# cat postgres-manifest.yaml
kind: "postgresql"
apiVersion: "acid.zalan.do/v1"
metadata:
name: "acid-my-cluster"
namespace: postgres
labels:
team: acid
spec:
teamId: "acid"
postgresql:
version: "13"
numberOfInstances: 1
enableMasterLoadBalancer: false
volume:
size: "3Gi"
resources:
requests:
cpu: 100m
memory: 100Mi
limits:
cpu: 500m
memory: 500Mi
以上で、「手順2:PostgreSQL Operator(Zalando)の設定ファイルを修正」は完了です。
手順3:PostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリュームを作成
「手順3:PostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリュームを作成」に関してご説明します。
PostgreSQL Operator(Zalando)経由で作成するPostgreSQLクラスタは、データ格納先として永続ボリュームを利用します。
永続ボリュームを作成するために、マスターで以下の定義ファイルを作成しましょう。
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: pgdata-acid-my-cluster-0
spec:
capacity:
storage: 10Gi
persistentVolumeReclaimPolicy: Retain
accessModes:
- ReadWriteOnce
hostPath:
path: "/pgo"
---
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: pgdata-acid-my-cluster-1
spec:
capacity:
storage: 10Gi
persistentVolumeReclaimPolicy: Retain
accessModes:
- ReadWriteOnce
hostPath:
path: "/pgo1"
上記の定義を「pvc.yaml」というファイル名で保存しましょう。ファイル保存後、PostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリューム(PV/PVC)を作成するために、マスターで以下のコマンドを実行してください。
# kubectl apply -f pvc.yaml
persistentvolume/pgdata-acid-my-cluster-0 created
persistentvolume/pgdata-acid-my-cluster-1 created
コマンド実行後、「created」が出力された場合、「正常にPostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリューム(PV/PVC)を作成できた」と判断できます。
以上で、「手順3:PostgreSQL Operator(Zalando)用の永続ボリュームを作成」は完了です。
手順4:PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesに配備(デプロイ)
「手順4:PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesに配備(デプロイ)」に関してご説明します。
PostgreSQL Operator(Zalando)経由でKubernetes上にPostgreSQLクラスタを作成しましょう。
Kubernetes上にPostgreSQLを作成するために、マスターで以下のコマンドを順に実行してください。
# kubectl create ns postgres
# kubectl create -f manifests/configmap.yaml -n postgres
# kubectl create -f manifests/operator-service-account-rbac.yaml
# kubectl create -f manifests/postgres-operator.yaml -n postgres
# kubectl create -f manifests/api-service.yaml -n postgres
# kubectl apply -f ui/manifests/ui-service-account-rbac.yaml
# kubectl apply -f ui/manifests/deployment.yaml
# kubectl apply -f ui/manifests/service.yaml
# kubectl apply -f postgres-manifest.yaml
# kubectl get pods,svc -n postgres
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
pod/acid-my-cluster-0 1/1 Running 0 45s
pod/postgres-operator-6cc989d674-mkfzz 1/1 Running 0 96m
pod/postgres-operator-ui-6bdc49fd6c-jh5fr 1/1 Running 0 91m
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE
service/acid-my-cluster ClusterIP 10.233.18.194 <none> 5432/TCP 45s
service/acid-my-cluster-config ClusterIP None <none> <none> 40s
service/acid-my-cluster-repl ClusterIP 10.233.20.60 <none> 5432/TCP 45s
service/postgres-operator ClusterIP 10.233.3.104 <none> 8080/TCP 96m
service/postgres-operator-ui LoadBalancer 10.233.31.78 <pending> 80:31762/TCP 89m
コマンド実行後、「Runningが3つ」表示された場合、「正常にPostgreSQL Operator(Zalando)経由でKubernetes上にPostgreSQLクラスタを作成できた」と判断できます。
以上で、「手順4:PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesに配備(デプロイ)」は完了です。
手順5:PostgreSQL Operator(Zalando)で作成したPostgreSQLの動作確認
「手順5:PostgreSQL Operator(Zalando)で作成したPostgreSQLの動作確認」に関してご説明します。
PostgreSQL Operator(Zalando)経由で作成したPostgreSQLにデータを挿入してみましょう。
PostgreSQLにデータを格納するために、マスターで以下のコマンドを順に実行してください。
# kubectl exec -n postgres -it pod/acid-my-cluster-0 -- psql -U postgres
psql (13.2 (Ubuntu 13.2-1.pgdg18.04+1))
Type "help" for help.
postgres=# create database kakedashi;
CREATE DATABASE
postgres=# create table meibo (name text);
CREATE TABLE
postgres=# insert into meibo values ('hero');
INSERT 0 1
postgres=# select * from meibo;
name
------
hero
(1 row)
postgres=# exit
上記のように「selectで挿入したデータが表示された」場合、「PostgreSQL Operator(Zalando)で作成したPostgreSQLは正常に起動している」と判断できます。
以上で、「手順5:PostgreSQL Operator(Zalando)で作成したPostgreSQLの動作確認」は完了です。
上記の流れで、PostgreSQL Operator(Zalando)経由で作成したKubernetes上のPostgreSQLを使うことができます。
ちなみに、「Kubernetesのアーキテクチャを体系的に学びたい」や「Operatorなどのその他の機能を知りたい」方は、以下の参考書がオススメです。
動画で「Kubernetesのアーキテクチャを体系的に学びたい」や「Operatorなどのその他の機能を知りたい」を学びたいという方には、以下がオススメです。
【まとめ】PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順
今回の記事を通して、「PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順」をご紹介することで、以下の悩みを解消しました。
★悩み★
・Kubernetes上で容易にPostgreSQLを使うことはできないだろうか。
・PostgreSQL Operator(Zalando)をKubernetesで使う手順を知りたい。
・そもそも、PostgreSQL Operator(Zalando)とは?
「Deploymentの書き方やサンプルを知りたい」や「そもそも、PostgreSQL Operator(Zalando)とは?」で悩んでいるあなたにこの記事が少しでも役に立てれば幸いです。
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