★悩み★
・KubernetesでNFSをマウントして永続ボリュームを作成する利点は何?
・KubernetesでNFSをマウントして永続ボリューム(PV/PVC)を作成したい。
・そもそもKubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」って何?
こういった「悩み」に答えます。
★本記事の内容★
① Kubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」の違いをご紹介
② KubernetesでNFSをマウントした永続ボリュームを作成する利点をご紹介
③ KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備をご紹介
④ KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順をご紹介
これからご紹介する「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順」を実践したことで、1時間以内で「KubernetesでNFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を作成」できました。
記事の前半では「KubernetesでNFSをマウントした永続ボリューム(PV/PVC)を作成する利点」を解説しつつ、記事の後半では「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順」を紹介します。
この記事を読み終えることで、「KubernetesでNFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を使える」状態になります。
★Kubernetesとは★
Kubernetesを利用することで、マイクロサービスなシステムを構築できます。Kubernetesを利用したマイクロサービスに関して知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Kubernetesとマイクロサービスについて
ちなみに、「Kubernetesを体系的に学習したい」方には、以下の記事がお勧めです。
Kubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」の違い
「Kubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」の違い」に関しては、以下の記事をご覧ください。
上記記事では、Kubernetesにおける「永続ボリューム/PV/PVC」の違いを図で解説しています。
以上が、「Kubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」の違い」となります。
KubernetesでNFSをマウントした永続ボリュームを作成する利点
「KubernetesでNFSをマウントした永続ボリュームを作成する利点」に関してご紹介します。
Kubernetesで「NFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を作成する利点」を図で解説しますね。
結論から述べますと、「どのサーバにPodがデプロイ(配備)されても永続化されたデータを参照できる」となります。以降で、上記に関して紐解いていきますね。
例えば、サーバ2にデプロイされたPod上で、ファイルAを永続ボリューム内に作成したとしましょう。
「システムの再起動」や「Podの再起動」などでサーバ3にPodがデプロイされた場合、ファイルAを参照できません。これは、永続ボリュームを各サーバ内に存在するストレージに紐付けしているためです。
NFSをマウントした永続ボリューム(PV/PVC)を作成することで、上記の問題を解消できます。NFSをマウントした永続ボリューム(PV/PVC)を作成することで、下図のように他サーバにあるストレージを参照できます。
以上が、「KubernetesでNFSをマウントした永続ボリュームを作成する利点」となります。
「どのサーバにPodが配備されても、永続化されたデータを参照できるようにしたい」場合、NFSをマウントした永続ボリューム(PV/PVC)を作成しましょう。
KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備
「KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備」に関してご説明します。
★KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備の流れ★
手順1:Kubernetesクラスタを構築
手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認
上記の流れで、「KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備」ができます。
上記の各手順は、以下の日時と環境で動作確認済みです。
動作確認済み日時:2021年5月25日
動作確認済み環境:CentOS Linux release 7.7.1908 (Core)
以降で、上記「KubernetesでNFSを使い永続ボリュームを作成するための準備の流れ」の各手順に関してご説明します。
手順1:Kubernetesクラスタを構築
「手順1:Kubernetesクラスタを構築」に関してご説明します。
KubernetesでNFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を作成するために、Kubernetesクラスタを構築しましょう。
「Kubernetesクラスタの構築手順」に関しては、以下の記事をご覧ください。
上記手順を実施することで、以下のKubernetesクラスタを構築できます。
以降の手順では、上図のKubernetesクラスタを想定として手順を解説します。
既にKubernetesクラスタを構築済みである場合、本手順を省略してください。
以上で、「手順1:Kubernetesクラスタを構築」は完了です。
手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認
「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」に関してご説明します。
構築したKubernetesクラスタに永続ボリューム(PV/PVC)を作成できる状態になっているかを確認しましょう。
「構築したKubernetesクラスタの状態確認」に関しては、以下の記事「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」をご覧ください。
以上で、「手順2:構築したKubernetesクラスタの状態確認」は完了です。
上記の流れで、KubernetesでNFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を作成するための準備ができました。
KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順
「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順」に関してご紹介します。
★KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する流れ★
手順1:Kubernetesを構成する全サーバにNFSライブラリをインストール
手順2:NFSをマウント(mount)するPersistentVolume(PV)を作成
手順3:PersistentVolumeClaim(PVC)の作成
手順4:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの作成(起動)
手順5:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの動作確認
上記手順を実施することで、下図の「NFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を使用するKubernetes」を作成できます。
上記の各手順は、以下の日時と環境で動作確認済みです。
動作確認済み日時:2021年5月25日
動作確認済み環境:CentOS Linux release 7.7.1908 (Core)
以降で、上記「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する流れ」の各手順に関してご説明します。
手順1:Kubernetesを構成する全サーバにNFSライブラリをインストール
「手順1:Kubernetesを構成する全サーバにNFSライブラリをインストール」に関してご説明します。
NFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を作成したい場合、全サーバにNFSライブラリが必要です。
「サーバにNFSライブラリをインストールする手順」に関しては、以下の記事をご覧ください。
以上で、「手順1:Kubernetesを構成する全サーバにNFSライブラリをインストール」は完了です。
手順2:NFSをマウント(mount)するPersistentVolume(PV)を作成
「手順2:NFSをマウント(mount)するPersistentVolume(PV)を作成」に関してご説明します。
Pod内のデータをコンテナ外に保存するためにNFSをマウント(mount)したPersistentVolume(PV)を作成しましょう。
NFSをマウント(mount)するPersistentVolume(PV)を作成するために、以下の定義ファイルを作成しましょう。定義ファイル内の「適宜変更」と書いてある部分は、自分用に書き換えてください。
apiVersion: v1
kind: PersistentVolume
metadata:
name: nfs-pv
annotations:
volume.beta.kubernetes.io/storage-class: "slow"
spec:
capacity:
storage: 5Gi
accessModes:
- ReadWriteOnce
persistentVolumeReclaimPolicy: Recycle
nfs:
server: 192.168.10.150 # NFSサーバのIPを指定(適宜変更)
path: /nfs_dir # NFSサーバ上にあるフォルダを指定(適宜変更)
上記の定義を「nfs-pv.yaml」というファイル名で保存しましょう。
保存後、サーバ1(マスター)の「端末」または「ターミナル」上で、NFSをマウントしたPersistentVolume(PV)を作成するために以下のコマンドを実行します。
# kubectl create -f nfs-pv.yaml
persistentvolume/nfs-pv created
#
コマンド実行後、「created」が表示された場合、「Kubernetesクラスタ上にNFSをマウント(mount)したPersistentVolume(PV)を作成できた」と判断できます。
作成した「PersistentVolume(PV)」を削除したい場合は、以下のコマンドを実行します。
削除コマンド:kubectl delete -f nfs-pv.yaml
以上で、「手順2:NFSをマウント(mount)するPersistentVolume(PV)を作成」は完了です。
手順3:PersistentVolumeClaim(PVC)の作成
「手順3:PersistentVolumeClaim(PVC)の作成」に関してご説明します。
Pod内のデータをコンテナ外に保存するためにPVCを作成しましょう。
「PersistentVolumeClaim(PVC)を作成する手順」に関しては、以下の記事「手順2:PersistentVolumeClaim(PVC)の作成」をご覧ください。
参考までに、筆者が作成したPersistentVolumeClaim(PVC)の定義ファイルを下記に掲載します。
以上で、「手順3:PersistentVolumeClaim(PVC)の作成」は完了です。
手順4:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの作成(起動)
「手順4:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの作成(起動)」に関してご説明します。
以下のPodを作成しましょう。
・PodからNFSをマウントした永続ボリュームを使用できること。
「NFSをマウント(mount)した永続ボリュームを使う」Podを作成(起動)するために、以下の定義ファイルを作成してください。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: nginx-with-pvc
spec:
containers:
- name: nginx-with-pvc
image: nginx
ports:
- containerPort: 80
name: "http-server"
volumeMounts:
- mountPath: "/usr/share/nginx/html"
name: pod-nfs-pvc
nodeSelector:
type: node2
volumes:
- name: pod-nfs-pvc
persistentVolumeClaim:
claimName: nfs-pvc
上記の定義を「pod.yaml」というファイル名で保存しましょう。
保存後、サーバ1(マスター)の「端末」または「ターミナル」上で、Podを作成(起動)するために以下のコマンドを実行します。
# kubectl create -f pod.yaml
pod/nginx-with-pvc created
# kubectl get po
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
nginx-with-pvc 1/1 Running 0 15s
# kubectl describe po | grep node2
Node: node2/192.168.10.151
#
コマンド実行後、「Running」が表示された場合、「NFSをマウント(mount)した永続ボリュームを使うPodの作成ができた」と判断できます。
また、「Node: node2/192.168.10.151」が表示されたため、「Podがサーバ2(ワーカー)で起動している」と把握できます。
以上で、「手順4:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの作成(起動)」は完了です。
手順5:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの動作確認
「手順5:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの動作確認」に関してご説明します。
NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodを操作してみましょう。
「NFSをマウントした永続ボリュームを使う」Podにログインし、永続ボリュームにファイルを作成するために、サーバ1(マスター)で以下のコマンドを実行してください。
# kubectl exec -it nginx-with-pvc /bin/bash
root@nginx-with-pvc:/# ls
bin boot dev docker-entrypoint.d docker-entrypoint.sh etc home lib lib64 media mnt opt proc root run sbin srv sys tmp usr var
root@nginx-with-pvc:/# ls /usr/share/nginx/html
root@nginx-with-pvc:/# cd /usr/share/nginx/html
root@nginx-with-pvc:/usr/share/nginx/html# touch a
root@nginx-with-pvc:/usr/share/nginx/html# exit
exit
#
NFSをマウントした永続ボリュームにファイルを作成後、Podを停止するために、以下のコマンドを実行しましょう。
# kubectl delete -f pod.yaml
pod "nginx-with-pvc" deleted
#
コマンド実行後、「deleted」が表示された場合、「Podを停止できた」と判断できます。
続いて、Pod定義ファイル(pod.yaml)を以下のように編集し、サーバ3(ワーカー)でPodが起動するようにしてください。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: nginx-with-pvc
spec:
containers:
- name: nginx-with-pvc
image: nginx
ports:
- containerPort: 80
name: "http-server"
volumeMounts:
- mountPath: "/usr/share/nginx/html"
name: pod-nfs-pvc
nodeSelector:
type: node3 # サーバ3でPodを起動するように設定
volumes:
- name: pod-nfs-pvc
persistentVolumeClaim:
claimName: nfs-pvc
編集後、サーバ1(マスター)の「端末」または「ターミナル」上で、Podを作成(起動)するために以下のコマンドを実行します。
# kubectl create -f pod.yaml
pod/nginx-with-pvc created
# kubectl get po
NAME READY STATUS RESTARTS AGE
nginx-with-pvc 1/1 Running 0 15s
# kubectl describe po | grep node3
Node: node3/192.168.10.152
#
コマンド実行後、「Node: node3/192.168.10.152」が表示されたため、「Podがサーバ3(ワーカー)で起動している」と把握できます。
Pod再起動前に作成したファイルが存在することを確認するために、以下のコマンドを順に実行してください。
# kubectl exec -it nginx-with-pvc /bin/bash
kubectl exec [POD] [COMMAND] is DEPRECATED and will be removed in a future version. Use kubectl exec [POD] -- [COMMAND] instead.
root@nginx-with-pvc:/# ls /usr/share/nginx/html/
a
root@nginx-with-pvc:/# exit
exit
#
コマンド実行後、「a」が表示された場合、「PodからNFSをマウントした永続ボリュームを正常に使えた」と判断できます。
以上で、「手順5:NFSをマウントした永続ボリュームを使うPodの動作確認」は完了です。
上記の流れで、NFSをマウント(mount)した永続ボリューム(PV/PVC)を使うことができました。
ちなみに、「Kubernetesの永続ボリュームのアーキテクチャをもっと知りたい」方は、以下の参考書がオススメです。
動画で学びたいという方には、以下がオススメです。
【まとめ】KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順
今回の記事を通して、「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順」をご紹介することで、以下の悩みを解消しました。
★悩み★
・KubernetesでNFSをマウントして永続ボリュームを作成する利点は何?
・KubernetesでNFSをマウントして永続ボリューム(PV/PVC)を作成したい。
・そもそもKubernetesの「永続ボリューム(PV/PVC)」って何?
「KubernetesでNFSを使い永続ボリューム(PV/PVC)を作成する手順は?」で悩んでいるあなたにこの記事が少しでも役に立てれば幸いです。
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